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企業型DCがある会社員のiDeCo上限|「62,000円−事業主掛金」とマッチング拠出との選択【2026年改正対応】

会社の掛金が多い人ほどiDeCo枠は小さい。マッチング拠出をしている人はそもそも併用できない

公開: 2026-06-16

会社に企業型DCがある人ほど、自分の枠が分かりにくい

勤め先に企業型DC(企業型確定拠出年金)があると、iDeCo の話がややこしくなります。 「自分は iDeCo をいくらまで掛けられるのか」「そもそも入れるのか」が、企業年金のない会社員ほど単純じゃない。 私もこのシミュレーターの上限ロジックを組むとき、ここの分岐がいちばん面倒でした。

ややこしさの正体は2つ。iDeCo の上限は会社の出してくれる掛金で削られること、そして マッチング拠出を選んでいる人は、そもそも iDeCo と併用できないこと。 2026年12月の改正でこの枠が大きく動くので、改正後の数字で順番に整理していきます。

上限の出発点は「62,000円 − 会社の掛金」

2026年12月改正後、会社員のiDeCo・企業型DC・確定給付(DB)などをすべて合算した上限は月62,000円です。 企業型DCに入っている人の iDeCo 枠は、この62,000円から会社が出している事業主掛金(とDBなどの掛金相当額)を引いた残りになります。 式にするとシンプルで、iDeCoの上限 = 62,000円 − 事業主掛金 −(DB等の掛金相当額)

なので、会社がたくさん出してくれている人ほど、自分で上乗せできる iDeCo の枠は小さくなる。 このサイトのシミュレーターに事業主掛金を入れて出した上限が、こちらです(DBなし・マッチングなしの会社員のケース)。

会社の事業主掛金(月額)iDeCoの上限(月額)
2万円42,000円
3万円32,000円
4万円22,000円
5.5万円7,000円

会社の掛金が5.5万円も出ている恵まれた人だと、iDeCo に回せるのは月7,000円ぽっち。 一方で会社の掛金が月1〜2万円くらいの人は、4〜5万円の枠が残る。同じ「企業型DCあり」でも、ここまで差が出ます。 DBも併用している会社だと、そのぶんさらに引かれます(例:事業主掛金2万円+DB相当2万円なら、iDeCo は月22,000円)。

マッチング拠出をしている人は、iDeCoに入れない

ここが見落とされがちな落とし穴。企業型DCには「マッチング拠出」という、会社の掛金に自分のお金を上乗せできる仕組みがあります。 これを使っている人は、iDeCoとの併用ができません。マッチング拠出か iDeCo か、どちらか一方を選ぶ制度(選択制)になっています。

実際、このシミュレーターでマッチング拠出ありを選ぶと、iDeCo の上限は0円、「加入できない条件です」と返します。 だから企業型DC加入者がまず確認すべきは、上限額の前に「自分はマッチング拠出をしているか/会社にその制度があるか」。 ここを飛ばして iDeCo の口座を作ろうとして、入れないと気づくパターンが地味に多いんです。

改正で枠が広がる人・あまり変わらない人

2026年12月の改正で何が変わったか。いちばん大きいのは、企業型DC加入者の iDeCo にあった「月2万円まで」という単体の上限が撤廃されたことです。 これまでは、合算枠(改正前は5.5万円)に余裕があっても iDeCo は2万円で頭打ちでした。

たとえば事業主掛金が月2万円の人。改正前は「5.5万 − 2万 = 3.5万」の余地があっても、iDeCo は2万円が天井。 改正後はこの天井がなくなり、「6.2万 − 2万 = 4.2万円」まで掛けられる。2万円が4.2万円に、2倍以上に広がる計算です。

逆に、会社の掛金がもともと多い人(月4万円超など)は、改正後でも残り枠が2万円前後なので、体感はそれほど変わりません。 「改正で枠が増えた」と聞いて期待しても、会社の掛金しだいで恩恵の大きさはかなり違う、ということ。 自分の事業主掛金がいくらかを知らないと、増えた枠の話もピンと来ないわけです。

枠が広がったぶん、節税もどれだけ伸びるか

枠が広がると節税額も増えます。35歳・年収500万円・事業主掛金2万円の会社員が、空いた iDeCo 枠を使うとどうなるか。 月2.3万円を30年掛けると、所得控除による節税は累計で約154万円、受取時の残高は約1,340万円(利回り3%想定)。 これを上限の月4.2万円まで引き上げると、節税は約258万円、残高は約2,447万円まで伸びます。

節税のほうは年100万円超の差。iDeCo の掛金は全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)になるので、枠を使い切れるかどうかが効いてきます。 年収別の節税の出方は 年収別 iDeCoの節税額早見表 に、控除の申告手順は iDeCoの年末調整・確定申告のやり方 にまとめてあります。

iDeCoとマッチング拠出、どっちを選ぶ?

会社にマッチング拠出の制度があるなら、iDeCo とどちらを使うか選ぶことになります。 2026年4月には、マッチング拠出のほうも「自分の掛金は会社の掛金を超えてはいけない」という古い制約が外れました。 会社の掛金が月5,000円でも、合算枠の範囲なら自分で数万円上乗せできる。マッチング拠出も以前よりだいぶ使いやすくなっています。

ざっくりした選び方はこんな感じ。 会社のDCで使える商品(投資信託のラインナップ)に不満がなく、口座管理手数料を増やしたくない、転職の予定もない——なら、マッチング拠出のほうが手間が少ない。 逆に、会社の商品ラインナップが物足りない、自分で金融機関や商品を選びたい、将来転職するかもしれない——なら、持ち運びのきく iDeCo に分があります。

正直なところ、どちらも「掛けたお金が全額所得控除になる」点は同じで、節税の効果に差はありません。 分かれ目は商品の中身と手数料、それと転職時の扱い。 個人的には、節税額が同じなら先に商品ラインナップと手数料を見比べるのが地に足がつくと思っています。会社のDC規約と運営管理機関の手数料、両方を並べて決めるのが確実です。

まず確認するのは「会社がいくら出しているか」

結局、企業型DC加入者の iDeCo は会社の事業主掛金がいくらかで枠が決まります。 金額は毎年もらえる「掛金の事業主証明書」や、会社の確定拠出年金の加入者サイト、給与明細などで確認できます。 ここが分かれば、「62,000円 − その額」で自分の iDeCo 上限がすぐ出ます。

シミュレーターは職業で「会社員(企業型DCあり)」を選び、事業主掛金を入れると、iDeCo の上限と30年掛けた場合の節税額・受取額まで一気に出します。 マッチング拠出をしている場合は加入できない判定も返すので、まずは自分が入れるのか、入れるならいくらまでか、そこを確かめてみてください。

注意点

執筆・運営

この記事は MoneyTools Lab(iDeCo 最適受取シミュレーター運営)が執筆・公開しています。 運営者は税理士・ファイナンシャルプランナー・社会保険労務士等の有資格者ではありません。本記事の内容は参考情報としてお読みいただき、具体的な税務判断・資産運用のご相談は専門家へお問い合わせください。

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制度根拠・出典(一次情報)

本記事の計算・解説は、以下の一次情報(公的機関の公式ページ)に基づいています。

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