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会社員5年目のiDeCo体験談 — 節税と長期投資で実感したこと

面倒くさいで止めていた半年・始めて5年で見えたこと

公開: 2026-05-16

5年前の自分に伝えたいのは「制度の地味さ」のほうだった

「将来、自分たちの年金は本当にもらえるのだろうか」「新NISAは話題だけど、iDeCo は結局どうなんだろう」。 5年前、漠然とした不安だけを抱えていた頃の私が知りたかったのは、雑誌の特集にあるような「資産○倍」の話ではなく、 制度を実際に5年運用すると何が起きるのかという地味な実感でした。

この記事は、当サイトの運営者である私自身の iDeCo 運用 5 年目の体験を、見栄を張らずに書き残したものです。 会社員・月23,000円・全世界株式インデックスというごく普通の運用設定で、何に迷い、どこで気が楽になったか。 数字は所得税率10%・住民税率10%の概算で出していますが、自分のケースは本サイトのシミュレーターで実測してください。

1. 始まりは「面倒くさい」で半年止まっていた

iDeCo の扉を叩いたきっかけは、ニュースで繰り返し見た「老後2,000万円問題」と、銀行に置いておくだけだと金利がほぼゼロという当たり前の現実です。 「このまま何もしないことが一番のリスクかもしれない」と思い始めたのが 5 年前。

ただ、思い立ってからすぐに口座を開いたわけではありません。当時は会社員が iDeCo に加入する際、勤務先に 事業主の証明書を書いてもらう手続きが必要で、それが心理的にかなりの壁でした。 「会社に投資をしていることを知られたくない」「総務部に説明するのが面倒」。 その「面倒くさい」だけで半年ほど足踏みしていた記憶があります。

※ この事業主証明書は 2024年12月の改正で廃止され、現在は不要になりました。 私が始めた当時のハードルは、今から始める方にはもう存在しません。

意を決して書類を提出したあの一日が、結果として 5 年分の所得控除と長期投資のスタート地点になっています。 振り返ると、判断より「最初の一回の手間」を超えるところに一番エネルギーを使った気がします。

2. 月23,000円・全世界株式インデックス(推奨ではなく自分の選択)

私が積み立てている金額は、毎月23,000円。会社員の上限いっぱいの設定です。商品は全世界株式(いわゆるオールカントリー)のインデックスファンドを選びました。

これを選んだ理由は、自分には「市場を予測する才能」がないと早めに諦めたからです。どの国のどの株が伸びるか当てるのは無理筋なので、世界全体の成長にまるごと乗っかるほうが自分の性格に合っている、というだけの理由でした。

これが万人にとっての最適解だという話ではありません。米国株中心のファンドや、債券を混ぜたバランス型を選ぶ人もいます。重要なのは「自分の選択を続けられるか」で、商品名ではなく方針です。私はインデックス×ほったらかしを「続けられる方針」として選びました。

5 年経って、世界経済の成長分はおおむね資産に反映されました。途中で評価額がマイナスになる時期もありましたが、iDeCo の「60歳まで引き出せない」というロックが、結果的にパニック売りの抑止になっていたと思います。これは始める前には見えなかった効用でした。

3. 5年で27万円台。所得控除の積み上がりは静かだが効く

運用益の数字より、私が同世代の会社員仲間に伝えたいのは 所得控除の積み上がりのほうです。派手さはないですが、これは毎年確実に効きます。

私の場合、年間の拠出額は 23,000円 × 12ヶ月 = 276,000円。 所得税率10%・住民税率10%(合計20%)の所得帯であれば、この 276,000円分が課税所得から差し引かれて、 年間およそ55,200円の税負担が軽くなります(所得税の還付 約27,600円 + 翌年の住民税減 約27,600円)。

5 年積み上がると、累計で 27〜28万円程度の税負担軽減です。 「すごく派手」ではありませんが、何もしなければ自然に納めていたお金が、自分の手元または将来資産として残るのは確かに大きい。

※ 上記は所得税率10%・住民税率10%帯の概算です。所得が上がると控除効果は大きくなりますし、 住民税の課税最低限以下では効果が出ません。 自分の年収・職業別の節税額は 年収別 iDeCoの節税額早見表 と本サイトのシミュレーターで実測できます。

4. 年末調整が「儀式」から「申請」に変わった

iDeCo を始めてから起きた小さな変化は、年末調整の見え方が変わったことです。 それまでの私にとって年末調整は「会社が決めた書類を埋めるだけの儀式」で、自分の給料からいくら税金が引かれているか、ほとんど気にしていませんでした。

iDeCo を始めると、毎年 10 月頃に「小規模企業共済等掛金払込証明書」というハガキが届きます。これを年末調整の書類に転記する作業は地味なのですが、自分で「これで今年も還付対象が確定した」と確認するプロセスが入ることで、税金の流れに意識が向くようになりました。

運用成績は市場次第ですが、所得控除は手続きを完了させれば確実に反映されます。書類を出すという行為と税還付が直結する経験は、家計のリテラシーを少しだけ底上げしてくれた気がします。

5. 「毎日チェック」を卒業するのに 2 年かかった

正直に書くと、運用開始から 1〜2 年目までの私は、仕事の合間も寝る前もスマホで残高をチェックしていました。 「今日は3,000円増えた」「今日は5,000円減った」で気分が上下する日々で、長期投資をしているはずなのに、視点だけ短期になっていました。

3 年目あたりから、確認頻度がだんだん落ちていきました。今は数ヶ月に一度、思い出した時にログインする程度です。 iDeCo は数十年単位のマラソンで、自分が日々できることは「拠出を止めない」だけ。それに気づくのに 2 年かかった、というのが正直なところです。

運用の精神的負荷を下げる仕掛けとして、iDeCo の「途中で引き出せない」「拠出は給与天引きまたは口座引落で自動」という設計は、私のように一喜一憂しがちな人間にはむしろ向いていたと思います。

6. 「節税で得した分」は、受取時の課税で部分的に戻る

ここは始める前にあまり強調されない論点ですが、運営者として正直に書いておきます。

iDeCo の所得控除は拠出時の節税ですが、受け取る時には課税されます。 一時金で受け取れば退職所得として、年金で受け取れば公的年金等として、それぞれの控除を当てた上で課税対象が決まる仕組みです。 退職金が別にある会社員は、受取年をどう組むかで税額が変わるケースもあります(5年ルール・19年ルールの話で、これは 退職金とiDeCoの受取タイミング に整理してあります)。

だから「20%の節税」がそのまま 20% の純利益になるわけではなく、 出口の課税で一部は戻る。それでも多くのケースで手元に残るプラスは大きいのですが、 「節税分は確定利益」と単純化しすぎないほうが、後で「思っていたのと違った」とならずに済みます。

自分のケースで最終的な手取りがどうなるかは、本サイトのシミュレーターで一時金・年金・併用を自動最適化させて確かめてみてください。

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7. 5年運用して、5年前の自分に渡したい一言

「資産が倍になりました」のような派手な見出しは、私の体験談には合いません。 5 年運用して残った実感はもっと地味で、 「拠出を止めない仕組みを最初に作っておくと、後の自分が助かる」に尽きます。

事業主証明書のような心理的障壁は今や消えていて、口座開設の手続きは私が始めた頃よりずっと楽になっています。 一方で、運用商品の選択や受取方法の設計は今も自分で考える領域です。 自分の条件で何がどう変わるかは、本サイトのシミュレーターで具体的な数字を出してから判断するのがいちばん早いです。

執筆・運営

この記事は MoneyTools Lab(iDeCo 最適受取シミュレーター運営)が執筆・公開しています。 運営者は税理士・ファイナンシャルプランナー・社会保険労務士等の有資格者ではありません。本記事の内容は参考情報としてお読みいただき、具体的な税務判断・資産運用のご相談は専門家へお問い合わせください。

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制度根拠・出典(一次情報)

本記事の計算・解説は、以下の一次情報(公的機関の公式ページ)に基づいています。

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