月7.5万円上限と小規模企業共済の二段構え
2026-04-30
自営業者・フリーランスの iDeCo 月額上限は 75,000円(年間90万円)。 会社員の上限 23,000〜62,000円と比べて圧倒的に大きく、 限界税率も自分で経費・控除をコントロールしやすいぶん高めに設定できる方が多いため、 節税効果は会社員以上になりやすい層です。
一方で、退職金・厚生年金がない自営業者にとって、 iDeCo は単なる節税商品ではなく 「自分で作る退職金」 の役割を担います。 この記事では、上限活用の戦略・他制度との併用・受取時の優位性まで整理します。
75,000円の上限は 国民年金基金・付加年金との合算枠です。 例えば国民年金基金に月20,000円を掛けている場合、iDeCo の上限は 55,000円になります。 逆に何も併用していなければフルに 75,000円まで掛けられます。
※ 小規模企業共済は別枠です(後述)。iDeCo の上限には影響しません。
本シミュレーターで自営業の代表的な3パターンを試算しました。 運用利回りは年3%、扶養なし、上限まで掛金、想定です。
最終残高 約4,449万円(積立元本2,520万円+運用益約1,929万円)
積立期間中の累計節税 約509万円
月6万円という金額は会社員には不可能。長期×高額拠出で運用益が大きく膨らみます。
最終残高 約2,230万円(積立元本1,500万円+運用益約730万円)
積立期間中の累計節税 約456万円
所得650万円帯は限界税率が約30%に乗るため、節税効率が一気に高まります。
最終残高 約1,702万円(積立元本1,350万円+運用益約352万円)
積立期間中の累計節税 約410万円
15年でも所得控除だけで400万円超の節税。年あたり約27万円の節税は会社員では到達しにくい水準です。
合算上限75,000円を共有します。 国民年金基金は終身年金として受け取れる利点がありますが、 iDeCo に比べて運用商品の自由度はありません。 両者をどう配分するかが自営業者の節税戦略の核になります。
月400円を国民年金保険料に上乗せすると、将来の老齢基礎年金に
「200円 × 納付月数」が終身で加算される制度。
iDeCo との合算上限を消費しますが、月400円分しか減らないため
iDeCo 枠への影響はわずか。コスパは非常に高いです。
ただし国民年金基金との同時加入はできません。
iDeCo の上限とは完全に独立した別枠で、月最大70,000円(年84万円)まで全額所得控除になります。 iDeCo+小規模企業共済をフル活用すると、所得控除は年間最大174万円に達します。 自営業者の節税効果が大きいと言われる最大の理由がこの二段構えです。
自営業者には退職金がありません。 これは老後資金の弱点である一方、 受取時の 退職所得控除を iDeCo に丸ごと使える という大きな利点でもあります。
会社員は退職金と iDeCo の控除枠を奪い合うことになりますが、 自営業者にはその競合がありません。 シミュレーション結果①の 4,449万円 を一括+年金併用で受け取る場合、 退職所得控除をフルに使えるのは自営業者だけのアドバンテージです。
※ 小規模企業共済の一括受取も「退職所得」扱いですが、 iDeCo と 同じ年に受け取ると控除枠を共有する点に注意。 時期をずらす(5年/19年ルール参考)か、片方を年金形式で受け取る戦略があります。
あなたの年齢・職業・年収を入力するだけで、最適な受取方法と節税額がわかります。